コワコワくんはMさんの家に餌を食べに来る3匹の野良猫さんの中の1匹です。
茶トラの綺麗な猫なのですが、たいへん臆病な性格で、もう数年も餌を食べに来ているくせに全く馴れるようすがないとのことです。タイミングがなかなか合わず、未だに去勢手術が出来ずにいました。Mさんもコワくんを去勢するつもりで何度か捕獲器を仕掛けたのですが、その都度別の子を捕獲してコワくんは結局今まで捕獲できずにいたのです。とは言え、今まで捕獲できた2匹の子たちはどちらも雌猫だったので、それはそれで良かったと言えます。
ところが、最近になってコワくんの様子が急におかしくなってきて、激ヤセ状態になってきたのです。そのうえ涎がひどくかなり口内炎が悪化している様子とのことです。そこで何とか捕獲してK先生に診断してもらわなければと、コワくんの捕獲を試みようとしたところ、急にコワくんが現れなくなってしまったのです。もしかして、何処かで行き倒れているのだろうかなどと心配していると、数日ぶりに姿を表したコワくんをタイミング良く捕獲することが出来ました。
取り敢えず、K先生のところにコワくんを連れて行ってステロイド剤の注射と抗生剤を頂いたのですが、先生の言われるのにはもともと野良のこを治療しても薬を飲ませ続けることも難しいし、治療を継続することが出来にくいので、後は彼の生命力に任せるしか無いとのことでした。そんなわけで後の処置はMさんの判断に任せることにしました。
Mさんとしてはこのまま放置することも自分の気持がおさまらないので、取り敢えずケージに入れて家で様子を見てみるということになりました。早速ケージを2つ繋いでMさんのお宅の一室にコワくんを隔離して当分の間、投薬を続けて様子を見ることになりました。
ケージで入れて様子を見ると、あんがい人懐っこそうだし、ガリガリの外見からは思いもやらない食欲で、抗生剤を混ぜた缶詰もあっという間に平らげるおおせいな食欲なので何とか体力が回復するまでは面倒が見られる見通しがたちました。
ところが、数日たってみるとコワくんの顔半分が大きく腫れあたって、全く人相(猫相?)が変わってしまっているのに気が付き、慌ててK先生のところに診察に行くと、口内炎が悪化して膿が溜まっているとのことでした。早速切開手術で化膿した部分の膿をとって、傷口を洗浄してもらいようやく元の猫相に戻りました。それにしても、Mさんのところで保護して一月あまりが過ぎるのにコワくんは痩せたままのガリガリ状態とのことです。半月ほど前に害虫駆除の薬を付けたけれど、特に回虫などがいた様子もないとのことです。近々またK先生のところにお世話になりに行く予定でいます。